コスプレ用の衣装を選ぶ際や自分で制作する際には「素材」が大事なポイントとなります。生地等の素材をよく吟味しておかないと、実際に衣装を着用した際に変なシワができてしまうことや見栄えが悪くなってしまうことがあるからです。
コスプレ用の衣装制作においては、ポリエステルのようなシワになりにくい生地が重宝されやすい傾向があります。また衣装の制作コストを抑えるために、フェイクファーなど安価な素材が選ばれることも多いです。今回はそんなコスプレ衣装の制作時によく用いられている素材について解説していきます!
ポリエステル生地
コスプレ衣装制作で最も人気が高い素材はポリエステルです。ポリエステルは石油を原材料として作られており、軽量でありながら耐久性が高いのが特徴です。速乾性や耐候性にも優れていることから、アウトドアやスポーツ用の衣類でもよく用いられています。
ポリエステル素材のメリットは、シワになりにくいことです。洗濯後にアイロンをかけなくてもそのまま着用することができます。コスプレ衣装の素材で迷ったときは、このポリエステル生地を選んでおくと良いでしょう。
ポリエステルを100%使ったポリエステルツイルもコスプレ衣装で人気が高い素材です。ポリエステルツイルは、生地に厚みがあるのが特徴です。そのため、ジャケット、制服、軍服などの衣装づくりで用いられています。縫いやすい生地なので、コスプレ衣装を初めて自作される方にもおすすめです。またカラーバリエーションも豊富で、価格がお手頃なこともポリエステルツイルの魅力です。
T/Cブロード
T/Cブロードはポリエステルと綿を使用して織り上げた生地です。薄手で軽量な素材のため、ブラウスやシャツなどに使われています。フリルのように部分的に使用することもあります。
T/Cブロードの特徴は、綿を使っているため通気性が良く、適度なハリ感があることです。さらに、ポリエステルも使われているので、綿や麻のようにシワになりにくいというメリットもあり、ポリエステルと綿の良いところを兼ね備えている優秀な素材です。
ただし、生地が薄いため透けやすいので、スカートなどで用いる場合は裏地を取り付ける、ブラウス1枚で着用する予定の場合はインナーを準備するなどの工夫をしたほうが良いでしょう。
アムンゼン
アムンゼンは梨の皮のような凹凸がある生地です。生地がお肌に張り付きにくくなっており、清涼感も得られやすいため、春頃から夏頃に着用する衣装用に最適な素材と言えます。ポリエステル100%を使用したアムンゼンは、速乾性が高く、しわになりにくいという特徴もあるのです。柔らかい素材なので、スカート、ワンピース、ドレスなどの衣装にも向いています。美しいドレープを作りたい方は、アムンゼンを選んでみると良いでしょう。
生地の凹凸がメロンの皮に似ているメロンアムンゼンもあります。メロンアムンゼンは、和の雰囲気があるため、着物など和服のコスプレ衣装で用いられることもあります。アジアンな雰囲気の民族衣装を作りたい場合にもおすすめの素材です。
ウール
ウールはメリノ種の羊の毛を紡いで織り上げた生地です。セーターなどの編み物、スーツ、マフラーなどいろいろなものに用いられています。
ウールの特徴は保温性が高いことです。そのため、コート、ジャケットなどのアウター用の素材として使われることも多いです。弾力性や吸湿性に優れており、シワになりにくいという特徴もあります。天然素材が使われているため、高級感があることも、ウール生地の魅力です。仕立ての良さにこだわりたい方、重厚感を求めたい方におすすめの素材です。
しかし、暑い時期に着用する衣装には向きません。秋冬向けに適している素材です。また、ウールは価格が高いというデメリットもあります。ウールをたくさん使用した衣装は高額になりやすいため、予算が限られている方は注意したほうが良いでしょう。
フェイクレザー
フェイクレザーは天然の皮に似せて作られた人工の素材です。ポリウレタン樹脂を使ったPUレザー、塩化ビニル樹脂を使ったPVCレザーなどの種類があります。
フェイクレザーのメリットは、本皮とそっくりの見た目や質感なのにも関わらず、価格が非常に安いことです。牛や豚などを使った天然の皮生地は高級品であるため、なかなか手が出しにくい面がありますが、安価なフェイクレザーならば気軽にコスプレ衣装の素材として用いることができます。
フェイクレザー生地は、革ジャンや革のパンツなど、男性的でかっこいい印象の衣装づくりに向いています。また、ベルト・バックなど小物づくりにも用いられることが多いです。しかし、加水分解が起こりやすく、時間が経つと表面が剥離して、ボロボロになってしまうことがあります。そのため、衣装を長期間着用する場合や保管する予定の場合は取り扱いに注意が必要です。
ハイミロン
ハイミロンはベルベット生地のような印象の起毛素材です。店舗のディスプレイ用、指輪やネックレスといったアクセサリー用のケースの素材、ラッピング用として使われることが多い素材です。衣類用ではなく資材用の素材ですが、見た目が美しくて手触りも良いことから、コスプレ衣装用としても利用されています。
コスプレ衣装づくりでは、ジャケット、ケープ、マントなどのような羽織もの衣装の素材として用いられることが多いです。
ハイミロンには切断面がほつれにくいという特徴があります。そのため、ハサミで好きな形に切り取って、衣装や小物へ接着剤で張り付けるといった使い方も可能です。また、シワになりやすく熱にも弱いため、アイロンの使用は避けたほうが良いでしょう。
ストレッチ生地
ストレッチ生地は収縮性が高い生地です。縦にも横にも伸びやすく、弾力性に優れているという特徴を持っていることから、作業服、店舗のユニフォーム、スポーツ用衣類などに用いられることが多い素材です。
コスプレでは、ボディスーツ、レオタード、水着、グローブなどのような身体にピッタリとフィットする衣装の素材用として使われています。軽量で動きやすい素材のため、コスプレ衣装の下に着用するインナー用としても利用されることがあります。
ストレッチ生地には、ウール、綿、ポリウレタンなどいろいろな素材が使われています。使われている素材によって、見た目、質感、厚みなどが異なるため、バリエーションが豊富です。
エナメル
エナメルは鏡のようなツヤがある素材です。原料には、ポリ塩化ビニルが使われています。つやつやとした質感がボディラインをきれいに見せてくれるため、コスプレの世界ではボディスーツ、水着などの衣装用として使われることが多く、バッグ、ベルト、アクセサリーなどの小物用としても、用いられています。
カラーバリエーションも豊富で発色が良い生地が多いため、カラフルなコスプレ衣装にも向いている素材です。また、切れ端がほつれにくいという特徴があり、そのため、模様やマークなどを切り取って、衣装のデザインとして活用することも可能です。