制作には依頼者と制作者のやり取りが必須で、金銭が発生する以上、お互いの認識の齟齬を防ぐために事前に契約を交わす必要があります。
契約を交わさずに制作を始めてしまうと、後に「イメージしていたものと違った」「そんな高い金額になると思っていなかった」「やっぱりキャンセルしたい」等のトラブルに対して対応できない場合があるので、事前に契約を交わす行為は非常に大切です！
narikiriでは契約に必要なフォーマットを専用の成約フォーム内に事前に用意しており、その内容に沿って必要事項を埋めていくだけで簡単に契約を交わすことが可能です！
しかし、その案内に沿って必要事項をどう書けばいいか悩む場合が出てくることもあると思うので、今回は制作者必見のトラブルになりにくい成約フォームの記載例について書いていきます！初めて成約フォームを利用する際や、どう書けばいいか悩んだ時にぜひご覧ください♪
各項目別の成約内容の記載例
それでは早速、narikiriで作れる成約フォームについて、各項目別に記載例を書いていきます！これが絶対に正しい書き方、とは言えませんが、ある程度のリスクやトラブルが回避できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください！
制作物
制作するアイテムの一覧と使用する素材を抜け漏れなく明記するようにしましょう！そうすることによって、依頼者にも依頼内容の抜け漏れが無いかを合わせて確認してもらえることにも繋がり、認識の齟齬が少なくなります。
①インナー1着(素材：綿)
②マント1着(素材：サテン)
③上下着用衣装1セット(素材：ポリエステル)
④上下着用造形1セット(素材：COSボード)
⑤武器・剣1個(素材：COSボード)
⑥靴1足※既存品を加工(素材：エナメル)
サイズ
オーダーメイドである以上、サイズは把握した上で制作に取り掛かる必要があります。事前に制作に必要な箇所のサイズを依頼者から聞いておき、そのサイズを明記しておきましょう。
また、サイズはヌードサイズかそうじゃ無いかでも異なってくるので、依頼者にはサイズを測る際にある程度の指示(ヌードサイズで計測するのか、衣服を着用して計測するのか等)を出すのも忘れないようにしましょう。
依頼者にサイズを測ってもらう際の参考記事も用意しているので、必要に応じて教えてあげてください♪
身長：160cm
肩幅：42cm
胸囲：88cm
裄丈：78cm
着丈65cm
袖丈：57cm
首回り：46cm
ウエスト70cm
ヒップ：104cm
もも周り：55cm
剣の長さ：80cm
足の大きさ：24cm
数量
数量には「制作物」で記載した内容を何セット作るのかを明記しましょう。ほとんどの場合は1セットになるかとは思いますが、中には複数着希望する依頼者もいるので、数量も間違えないようにしましょう。
金額
金額には依頼者に請求したい金額を記載するようにしましょう。表示価格は税込となり、その設定した金額からサービス手数料を差し引いた金額が制作者に支払われます。
※サービス手数料をや制作者に支払われる金額は成約フォーム内に自動計算で算出されます
衣装制作に必要な原材料や工賃の他にも、短納期対応や配送料、納品後のお直し対応等で金額も大きく変わってくることがあると思うので、事前に依頼者に金額に関する合意をとった上で記載するようにしましょう
納期
オーダーメイドで制作をする都合上、どうしても明確な明記を記載しづらいですが、金銭が発生している以上、納品する期限を設定してその日までに納品する義務が生じます。
納期の設定方法は人それぞれですが、自身が納品できる日付+7〜10日を目安に設定し、依頼者に合意を取るのが理想です。ある程度の余力を残しておくことにより、不測の事態にも対応できるように設定しておきましょう。
配送方法
サービス指定の配送方法は特にありません。メジャーな配送業者でいうと「ゆうパック」「ヤマト運輸」「佐川急便」が挙げられますが、配送する製品の大きさや重さによって選定するようにしましょう。
また、その他の配送方法についての記事も用意しているので、必要に応じて教えてあげてください♪
配送費負担者
配送費の負担は依頼者か制作者のどちらかで設定します。依頼者で負担する場合と制作者で負担する場合で設定する金額も異なると思いますので、両者合意の上で配送費の負担者を決定し、それに応じた金額設定を行いましょう。
お直し・リテイク内容
オーダーメイドの特性上、制作途中で依頼の要望が変わったり、納品時に修正希望を出されたりする場合があります。どの程度まで対応するかは制作者の判断になるので、「絶対に●●しなければならない」といった強要は無いですが、ある程度、急な変更や修正が発生した際の対応方法を記載しておく方が依頼者も安心するので、具体的な対応とセットで記載しておくようにしましょう。
①成約金を支払っていただいた後に制作を開始します。その後、仮縫いや仮組み段階で一度進捗写真をお送りします。もしこの段階で修正希望がある場合、写真共有後3日以内にお知らせください。1度だけ無償で修正します。ただし、当初の制作内容から大きく逸脱するような変更希望の場合は対応不可、または追加料金を支払っていただいた場合のみ対応可能とさせていただきます。
②仮縫いや仮組み段階での写真共有後3日以内にお返事ない場合、問題無いとみなし、本制作に移行し、それ以降の大幅な修正は対応不可、または追加料金を支払っていただいた場合のみ対応可能とさせていただきます。
③本制作への移行後は納品までに全3回に分けて進捗報告とお写真の共有を行います。基本的に修正不可となりますが、気になる点や変更希望箇所がある場合、軽微な修正の場合は無償対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください
④納品前に前後左右の完成写真をお送り致します。内容をご確認いただき、問題無いというお返事をいただいてから発送手続きに移行します。ご確認いただけない場合、納期が近づいてきた場合でも当方の判断で勝手に発送致しません。ご確認いただけていないことにより納期を過ぎた場合の責任は当方では負い兼ねますのでご了承ください。
⑤納期を過ぎてもご確認のお返事をいただけない場合、運営に相談・確認後、案内に沿って配送手続きを行います。
⑥納品完了後、当方の不備により修正が必要な場合は無償で対応しますが、それ以外は対応不可、または追加料金を支払っていただいた場合のみ対応可能とさせていただきます。
制作物に不備があった場合の対応方法
「お直し・リテイク内容」の内容とは異なり、制作者側での納期遅れや納品物に不備があった場合、どのように対応するかを明記しておくようにしましょう。記載は必須では無いですが、意図せず不備が発生する場合もあるので、記載しておいた方が依頼者も安心します。どういう場合にどのような対応をするのか、具体的な内容とセットで記載しておくようにしましょう。
①納品物に「制作物」に記載した内容で不足品があった場合、納品後、3日以内にご連絡ください。当方で確認をし、不足品を追加で制作・発送させていただきます。
②納品物に輸送時での外傷等があった場合、当方では責任を負い兼ねるため、輸送会社にその旨連絡していただき、ご対応お願い致します。
③配送時における自然災害等の不測の事態発生で配送遅延がおきて希望納期を過ぎた場合、当方では責任を負い兼ねるため、その点はご了承ください。
④納品物に輸送時での外傷ではなく、破けや汚れサイズ違い等の当方の落ち度で不足があった場合、納品後、3日以内にご連絡ください。当方で確認をし、修正・追加制作を行います。修正の場合の配送費は当方で負担します。
⑤納品後、「イメージと違う」「思ってた出来栄えではなかった」等の抽象的な主観によるクレームは不備としては受け付けません。「お直し・リテイク内容」に沿った方法で進捗共有をするので、何か問題があった場合はその段階でお知らせください。
備考
備考欄にはこれまでの設定項目で記載した内容以外で依頼者側に認識しておいてほしい確認事項等を記載しましょう。制作物に関する納品後の取り扱いや保存方法、制作実績として自身のポートフォリをへの掲載許可等、状況によって記載内容は様々ですが、事前に伝えておきたい内容に抜け漏れが無いように意識して記載するようにしましょう。
①本成約フォーム内に記載されている以外の追加要望には応えられない場合があります。
②二次元と三次元の衣装では物理的に再現不可な箇所もあり、全く同一に再現できない場合があります。
③当方からの進捗確認に関する返事が遅かったり、細かく進捗状況を尋ねてきたりした場合、それらの対応に追加で時間を割くことになるので、それに伴って納期に遅れが出る場合があります。
④納品物の衣類関係は洗濯機や乾燥機の使用不可です。手洗い等で洗濯し自然乾燥させてください。造形物の保存は、日当たりと湿度が少ない場所に保管するようにお願いします。
⑤制作時に疫病や自然災害等の不測の事態が発生した際、希望納期の期限延長や成約内容の変更に関するお願いをする場合があります。
⑥納品物は当方の制作実績としてポートフォリオ等に掲載させていただく場合があります。
さいごに
トラブルを回避する様々な成約フォームの記載例を紹介してきましたがいかがだったでしょうか？
面倒や手間だと感じる部分も多いかと思いますが、認識の齟齬をなくし、曖昧な表現を避け、具体的な数字を記載した上で成約フォームを作成していくことが結果的に良い取引にも繋がってきますので、意識して取り組むようにしましょう！
