インターネットが発達して、今では気軽に誰でもネット上で仕事のやり取りが可能になってきました。もちろん対面でやり取りした方が会話もできて意思の疎通もやりやすいという人も多いとは思いますが、全国の人々と気軽に繋がれる点はやはりネットに軍配が上がります。
今回はそんなネット上でコスプレ衣装の制作を依頼したり、請負ったりする場合に注意すべきポイントに着目して解説していきます。相手の顔が見えずに文章ベースのやり取りになる都合上、あやふやなやり取りを続けると最後にトラブルになる可能性が高いので、そういったトラブルを避けたいと考えている人はぜひ最後までご覧ください。
大前提として相手を思いやり、誠意ある対応を
これはネット上でのやり取りに関わらず対人でのやり取りを行う時全般に言えることですが、依頼者や制作者のどちらの立場も対等であって相手を思いやりながらの対応が大前提です。
お金を出すから依頼者の方が立場が上、依頼を聞いてあげるから制作者の方が立場が上、といったようなスタンスでやり取りを行っていると、やり取りのどこかしらでトラブルに発展する可能性が高いです。
これから依頼者としての依頼する際に注意すべきポイントと制作者として依頼を請負う際に注意するポイントにそれぞれ分けて解説していくので、ぜひご自身の立場に当てはめてご覧ください。
依頼者として依頼する際に注意するポイント
依頼者はどれだけ自身の依頼したい内容を正確かつ具体的に相手に伝えられるかが大きなポイントになってきます。「相手は制作のプロだし何も言わなくても意図を汲んで最高の仕上がりにしてくれるだろう」という考えを持っている場合は危険です。
もちろん相手は制作のプロなので、最大限の成果は出してくれると思いますが、自身の要望をどれだけ再現してくれるかは自身の伝え方に大きく依存するということを覚えておいてください。
ポイント①:持っている情報や伝えたい情報は全て伝える
作って欲しい衣装の設定資料や作って欲しいサイズ、その他こだわってほしい箇所等、自身が持っている情報や伝えたい情報は全て伝えるようにしましょう。
自身が分からない情報は相手にもまず分からないと思ってもらったほうが無難です。「言わなくても伝わるだろう(伝わっていると思ってた)」という考えは捨てて、自身は相手にどのような衣装を作って欲しいと思っているのかを精一杯伝えるようにしましょう。
ポイント②:分からない事や不安な事は積極的に質問する
相手に伝えたい情報を伝えた上で、制作依頼にあたって分からない事や不安なことは逆に制作者に積極的に質問するようにしましょう。相手は制作のプロなので、素材の選定や作り方に関しては豊富な知識を持っています。
「●●な素材を使って制作することは可能か?」や「1ヶ月後に使用したいが制作期間は間に合うか?」など、自身が分からないことは積極的に質問する癖をつけましょう。制作に関するお互いの認識の齟齬を防ぐための大切なやり取りです。
ポイント③:定期的にメッセージのやり取りを行う
契約が成立し、実際に制作に取り掛かってもらった後も納品までには平均1~2ヶ月ほどの期間が出てきます。その間も追加で伝えられる情報や聞きたいことが出てきた場合、積極的に連絡を取り合うようにしましょう。
定期的な進捗を聞くことができれば、その分のお互いの認識の齟齬を防ぐことにも役立ち、作り直し等による納期遅れを防止することにも繋がります。
制作者として依頼を請負う際に注意するポイント
制作者は相手の要望をどれだけうまく聞き出し、その要望に沿った回答を提示し、制作するかがポイントになります。制作者はものづくりだけではなく、ヒアリングのスキルも求められるようになってきているので、その事を念頭に置いて各ポイントを解説していきます。
ポイント①:依頼者は制作に関しては素人という理解をもっておく
依頼者は制作に関しては素人で、どのような情報を制作者に伝えたら良いか分からない場合が多々あります。また制作費用の相場も知らない場合が多いです。
決して「依頼内容が具体的じゃないのに依頼してくるなんて失礼」や「相場も知らずに低価格で依頼してくるなんて非常識」というようには捉えず、素人なりに考えて勇気を持って頑張って依頼してくれている意図を汲み取ってあげて接するようにしましょう。
ポイント②:積極的に依頼者をリードしてあげる
依頼者も伝えたい情報は伝えてくると思いますが、その情報だけでは制作できるかどうかの判断が難しい場合が多々あります。その場合は、制作者の方から積極的に「●●の情報を教えてください」や「●●はこういうイメージであっていますか?」等、依頼者をリードしてあげるようにしましょう。
何を伝えたら制作に必要な情報が揃うかが分からなくても、制作者から出された質問に答えることは依頼者にも可能です。専門用語はできるだけ避けて、依頼者にも理解しやすく回答しやすい内容で質問をしてあげるようにしましょう。
ポイント③:定期的に進捗報告をする
契約が成立し、実際に制作に取り掛かってもらった後も定期的な進捗の連絡をするようにしましょう。依頼者としては入金後に一切連絡がなく、納期が近づいてくると不安になってしまうことが多いです。制作途中で不明な点が出てきた場合も質問をして、定期的なやり取りを心がけるようにしましょう。
そうすることによってお互いの認識の齟齬を防ぐのにも役立ち、依頼者も安心して制作者に制作を任せることができるようになります。こまめな連絡は面倒に感じることも多いかもしれませんが、相手からの信用は評価や今後の継続依頼にも大きく影響してくることを意識しましょう。
さいごに
今回はネット上でコスプレ衣装制作を依頼or請負う際に注意すべきポイントについて解説してきました。トラブルになってしまう多くの原因はお互いの認識の齟齬から出てくるものです。
「これぐらいは言わなくても伝わるだろう」や「●●は知っていて当たり前」といった固定概念は捨て去り、お互いに相手の立場に立って考え、思いやりのあるやり取りをするように心がけましょう。